【洋書入門の定番】ロアルド・ダールのおすすめ作品と注意点をまとめてみた!

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アラフォーの英日翻訳家。元英会話学校講師。TOEIC満点/英検1級。言語学修士号。コーヒー飲みながら洋書読む時間が好き。

「これから洋書を読んでみようかな~」と思った人は、おそらくイギリスの作家ロアルド・ダール(Roald Dahl)に行きつくのではないかと思います。
洋書(英語)好きの間では、大人・子供を問わず、昔から大人気の作家です。

でも、これから多読を始めたい日本の英語学習者にとっては、

  • ロアルド・ダールって面白いの?
  • どの作品から読めばいいの?
  • 英語は難しいの?

など、いろんな疑問があると思います。

そこで、これまでダールの一ファンで、翻訳家のmacha(著者)が、作品の特徴や注意点、 おすすめの作品などを紹介します。
(僕自身は、これまでダールが書いた本を計10作品を読んできました)

僕のお気に入りのダールコレクション

ロアルド・ダールってどんな作家?

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イギリス人ならおそらくみんな子供の頃に読んでいる大人気作家だよ
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4613739
  • 全世界で累計2億5000万部以上を売り上げた、イギリス・ウェールズ出身のベストセラー作家(1916~1990年)。元・空軍のパイロット。
  • 『チャーリーとチョコレート工場』(2005年、ティム・バートン監督)や『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016年、スティーブン・スピルバーグ監督)をはじめ、多くの作品が映画化、ドラマ化。
  • 2018年にはNetflixがオリジナルアニメ作品の製作を発表。早ければ2019年中に見られるかも?
  • 児童書のほか、自伝的作品やミステリー風の短編小説でも高い評価を得ている。
  • 正しい発音は「ロウルド・ダール」(→ロウ・ダーと聞こえるかも)。「ロアルド」ではない。

ダール作品はここがおススメ!(メリット)

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それじゃ、ダール作品のメリットから紹介していくよ!

洋書初心者でも手が届くレベル

SSSの定めるYL(読みやすさレベル)でいうと4~6くらいなので、ときどき難しい単語も出てきますが、きちんと多読のステップを踏んでいけば、読めないレベルではありません。

大人も楽しめるストーリー

さすが英国ナンバーワンの童話作家。児童小説とはいえ、大人もぐいぐい引き込まれます。「英語の勉強」であることを忘れられるくらいです。ストーリーは奇想天外なものが多いですが、だいたい、かわいそうであまり恵まれていない境遇の子供が主人公で、そういうヒューマンドラマ的な側面も魅力的です。

長短いろんな作品がある

ダールは3000語くらいの絵本(The Enormous Crocodile)から、3万語を超える小説までいろんな作品を書いています。だから短めの絵本から読み始めて、本格的な児童書へと、無理なくステップアップできます。

挿絵がいい味

クェンティン・ブレイク(Quentin Blake)のイラストが作品の雰囲気にマッチしています。ダールといったら「この絵!」というくらい、作品に欠かせない存在です。また挿絵の点数も多いので、英語だけで情景がイメージしにくい場面であっても、絵を見て理解できたりします。

スラングが少ない

イギリス人作家なので基本的に「イギリス英語」ですが、イギリス人しか知らないようなスラングや口語表現は全体的にかなり少ないです。アメリカ含め、世界的に人気の作家なのも、うなずけますね。

オーディオブックも充実

人気作家なのでほぼすべての作品でオーディオブックが発売されています。しかも朗読人がかなり豪華です! 

例)

  • Matilda → Kate Winslet
  • The BFG → David Walliams
  • The Enormous Crocodile → Stephen Fry
  • Fantastic Mr. Fox → Chris O’Dowd

本を読んだ人は、ぜひ朗読も合わせて聴くことをお勧めします!

ダール作品がいまいちな点(デメリット)

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いいことばかりじゃないんだな…

作中に詩がたくさん出てくる

本人が詩人でもあるためか、ほとんどの作品に詩が出てきます。ミュージカルのように登場人物が心境を歌っていたりするのですが、そこだけかなり読みづらいし、英語的にも理解するのが難しいです。詩のところはわからなくても、ストーリーの流れは追っていけるので、読み飛ばしてOKです。

作者の造語が多い

ダールはいろんな新しい言葉を創作しました。一説によると、250以上の造語を生み出したそうです。それがダール作品の魅力でもあるのですが、英語学習者にとっては、ただ単に「自分が知らない単語」なのか、「ダールの造語」なのかが、すぐには区別がつかないので、勉強の足かせになりやすいです。とくに『The BFG』は造語のオンパレードです。

ストーリー展開がやや強引

子供は気にしないと思いますが、大人が読むとところどころアラが目につきます。急にストーリーが終わったり、伏線が解決されないままだったりするので、「あれ結局どうなったの?」みたいなことがよくあります。

ブラックユーモアが満載

基本的に勧善懲悪のストーリーです。ドライなタッチで描かれていますが、普通に登場人物が簡単に死んでいったりして、児童文学とは思えないくらい、かなりブラックで残酷な作風です。「悪人は殺してOK」みたいな割り切り方をしているのに違和感を覚える読者もいるかも?

【レベル別】おすすめのダール作品はコレ!

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ではタドキスト向けに、おススメ作品を一挙に紹介するよ!

ダールの作品には、ひとつ法則があります。
それは、基本的に長い作品ほど面白い!ということです。

とはいえ、多読の初心者の場合は、いきなり長い作品から読むと挫折する可能性が高いので、なるべく短いものから読んでいった方がいいです。読み進めるうちに、ダール特有の世界観や言葉遣いなどにも少しずつ慣れていくはずです。

そこで、ここでは僕が実際に読んでみた感想を交えつつ、英語の「レベル」別におすすめの作品たちを紹介します(ネタバレなし)。

※ 英語の難易度は、SSS(英語多読研究会)のYL(読みやすさレベル)と、Lexile指数の2つを参考にしています。

【初級編】最初はこの本から読んでみて!

Esio Trot(恋のまじない、ヨンサメカ)

英語の難易度:YL 3.5 / 840L
総語数:4225語

老人の恋物語。終わり方には賛否両論あると思いますが、短い作品なので「洋書を1冊読んだぜい!」という達成感を味わえます。

The Twits(アッホ夫婦)

英語の難易度:YL 3.9 / 750L
総語数:8107語

気持ち悪い主人公2人のひたすら気持ち悪い話です。話の展開もかなり強引ですが、ある意味、ダールらしいクレイジーさが満載です。

George’s Marvellous Medicine(ぼくのつくった魔法のくすり)

英語の難易度:YL 4.0 / 640L
総語数:11610語

1万字超と比較的読みやすい長さの中編小説。現実にはあり得ないくらいのブラックなユーモアと、ぶっ飛んだストーリー展開が存分に楽しめます。

【中級編】面白い作品が目白押し!

James and the Giant Peach(おばけ桃が行く)

英語の難易度:YL 5.5 / 870L
総語数:27552語

2人のおばさんとの対決・復讐がテーマかと思いきや、作品は早々に意外な展開へ。個性的な仲間たちとの冒険が楽しい作品です。

Charlie and the Chocolate Factory(チョコレート工場の秘密)

英語の難易度:YL 4.5 / 810L
総語数:29743語

映画もヒットした有名な作品。貧困や家族、希望といった社会的要素が詰まった作品。ただし作中で小人たちがうたう詩はかなり読みづらいかも…。

Charlie and the Great Glass Elevator(ガラスの大エレベーター)

英語の難易度:YL 5.4 / 720L
総語数:29743語

上記『チョコレート工場』の続編なので、続けて読むのがおすすめ。これも途中から意外な展開が楽しめます。言葉遊びがある分、英語のレベルはやや高くなります。

Danny the Champion of the World(ダニーは世界チャンピオン)

英語の難易度:YL 5.5 / 770L
総語数:39514語

ダーク・ファンタジーといった感じの作品。ダールっぽい摩訶不思議なところはありますが、『チョコレート工場』ほどはぶっ飛んではいません。父と息子の「家族愛」がしんみりきます。

【上級編】これ読まなきゃダールは語れない

The Witches(魔女がいっぱい)

英語の難易度:YL 6.5 / 740L
総語数:36547語

わりと長めのこわい話。ストーリー的におかしなところがいくつか目につきますが、そこに目をつぶれば、大人でもハラハラする展開で、ダールのストーリーテリングのうまさを感じさせます。

Matilda(マチルダは小さな大天才)

英語の難易度:YL 6.5 / 840L
総語数:39785語

天才少女のいたずらはダールっぽくて面白いし、他の作品と違って詩が少ないので読みやすいです。天才少女が大活躍する話かと思いきや、後半で急にSFの要素が入ってきて面白くなります。またオーディオブックではケイト・ウィンスレットが情感豊かに複数人の声を見事に使い分けていて、もはや感動するレベルです。

The BFG(オ・ヤサシ巨人BFG)

英語の難易度:YL 6.3 / 720L
総語数:36928語

「勧善懲悪もの」という意味では、典型的なダール作品ですが、巨人の言葉使いが変なので読みづらいです。また前半のストーリー展開はややスローですが、後半からいっきに面白くなって、読後感はすっきり。わりと長めの作品なので、一番最後に読むのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ダールは英語を学ぶ以上、一度は読んでおくべき作家だと思います。

僕は個人的に、ダールを読んだことがないイギリス人には会ったことがありません。またアメリカやオーストラリアなど、ほかの英語圏のこどもたちの間でも、今なお絶大な人気を誇っています。
「ダールの本を読んだ」と言えば、きっと話が盛り上がること間違いなしです。

ただし、純粋に「英語を学ぶのに最高のテキストか?」と言えば、すでに指摘したとおり、疑問な点もあります。「英語学習」という目的だけなら、ほかにもっと向いている洋書はたくさんあると思います。

でもそれを吹き飛ばすほどの面白さや独特の世界観が、ダールの作品にはあります。
たまには「勉強」という意識を捨てて、純粋に「洋書の多読」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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Happy reading!