ヘミングウェイを英語で読みたい人に最初におすすめしたい本はズバリこれです。

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macha

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アラフォー翻訳家。英検1級/TOEIC満点/言語学修士。「極力勉強せず、楽しみながら英語力を自然に上げる」がモットー。英語育児(5歳)も実践中です。

英語をやるなら、いつかヘミングウェイを原書で読んでみたい…。
そう考える人は少なくないかもしれません。

英文学の世界では、昔からヘミングウェイの『老人と海』(The Old Man and the Sea)を入門書として紹介する向きが多いですが、僕はあまりおすすめしません。
短さのわりに実は難易度が高めで、初心者(英文学)が読むと挫折する可能性が高いからです。

この記事では、『老人と海』を読んでみたいと思った人がその前に「練習」として読んでおくとよいおすすめの作品を紹介します。

注意
上級者向けの記事です。これから初めて洋書を読む人は、絵本ないしは児童書から読み始めることをお勧めします。
参考記事:【効果抜群】大人の英語学習者が「絵本」を読むべき3つの理由 

ヘミングウェイならこの本!

結論からいうと、この本を全力でおススメします。
ちょっと古いのが難点ですが、内容は「素晴らしい」の一言です。

 

筆者はこの本を手にしたとき、「学生時代にこの本と巡り合っておきたかった~」と、みずからの不運を呪いました…(笑)。

ものすごく読みやすいので、きっと英語力がぐんぐん伸びていたと思います。
あのひたすら辞書を引いていた日々はなんだったのか…。

ではこの本のいったいどこが素晴らしいのか、説明していきましょう。

『対訳』シリーズの特徴とおすすめポイント

『対訳』シリーズは、英語圏で有名な純文学作家たちの短編を集めた古い古いテキストです(1950年代とか)。

この本には、ヘミングウェイの代表的な短編が6つが掲載されています。

まずは短編小説から読み始めて、ヘミングウェイ独特の文体や言葉遣い、作品の雰囲気などに慣れておくと、中編小説(『老人と海』など)、長編小説(『武器よさらば』など)へと、無理なくステップアップすることができます。

その時点でもう十分素晴らしいのですが、さらにおすすめを3つ紹介します。

この本のおすすめポイント3つ

1.対訳である

左ページに英語、右ページに対応する日本語が載っていて、構成がシンプルでわかりやすいです。意味がわからない英文があれば、すぐ右ページをチェックすればいいだけなので、ぐいぐい読み進められます。

2.収録しているストーリーが秀逸

ヘミングウェイの代表作でありながら、入門者でも読みやすい短編がピックアップされています。どの作品も奥深く、ヘミングウェイの魅力がたっぷり味わえます。

3.語句の解説が絶妙

調べても簡単にはわかりそうにない単語や表現が、短いながらも各ページできちんと解説されています。逆に言えば、ここに載っていなくてわからない単語は覚えておいた方がよいでしょう。

どの作品から読めばいい?

この本に掲載されている6作品を、英語の難易度でレベル分けすると、次のような感じになります。
初級編から順に読んでいくことをお勧めします。

<初級>

  • A Clean, Well-Lighted Place
  • Indian Camp
  • Cat in the Rain

これら3本の作品は、英語でたった5ページくらいしかない「超」短編です。
だから、文芸作品の初心者でも比較的読みやすいです。

<中級>

  • The Killers

それほど長い作品ではありませんが(14ページくらい)、少しスラングが出てきます。

<上級>

  • The Undefeated
  • The Short Happy Life of Francis Macomber

上級の2作は、それぞれヘミングウェイの大好きな「闘牛」と「狩猟」がテーマの作品です。
とくに「The Undfeated」は闘牛のルールや用語を知らないと内容を理解するのが難しいです。
長さはどちらも40~50ページくらいとやはり長くはありませんが、英語の難易度としては、「The Old Man and the Sea(老人と海)」に近いので、仕上げにぴったりです。

【応用編】おすすめの学習の仕方

対訳を読んだら、それで終わりにするのはもったいないです。以下の3つの関連学習をおススメします。

1.オーディオブックを聴く

せっかく小説を読んだなら、耳からも聴いて、リスニング力をつけちゃいましょう。
内容は頭に入っているので、比較的簡単(?)に聴けると思います。

『The Killers』『A Clean, Well-Lighted Place』『Indian Camp』の3作品については、YouTubeでオーディオブック(アマチュア朗読含む)がありました(記事執筆時点)。
ぜひ聴いてみてください。

2.英語の解説ガイドを読む

この本に収録されている6本の短編小説は、いずれも有名な作品なので、ネットを探せばスタディーガイド(作品解説)が簡単に見つかります。

文学作品にはいろんな仕掛けがあり、単純に見えるストーリーでも、別の意味が隠されていたり、作者のメッセージが込められていたりと、いろいろ奥深かったりします。

プロの批評家が書いたスタディーガイドを合わせて読むことで、理解度がアップし、社会・文化背景なども学べるので、ものすごくおススメです。

有名どころでは「CliffNotes」と「SparkNotes」というサイトで、いくつかの作品の解説を読むことができます。

3.ネット上の動画解説を聴く

いろんな人がヘミングウェイの作品を英語で解説していたりします。
おススメは、「SixMinuteScholar」という動画チャンネル。

児童文学の作家で、アメリカの大学で英文学を教えているRebecca Balcarcelさんが、作品の読み解きポイントを約6分間でわかりやすく解説してくれています(下記は「A Clean, Well-Lighted Place」の解説動画)。

続編もあります!

意外にもこの本は人気だったようで(刷数がすごい数字になっている…)、なんと続編『対訳ヘミングウェイ2』も出ています!

こちらは、『老人と海』だけが収録されています。

 

『対訳~1』を完読した人なら、スムーズにこちらの『対訳~2』へとステップアップできるのではないでしょうか。

さいごに

以上、まとめます。

  • ヘミングウェイの『老人と海』から読もうとすると、挫折する可能性が高い
  • まずは入門者でも比較的読みやすい「短編小説」からチャレンジしよう
  • 対訳書とあわせて、オーディオブック、動画などを活用するとなおよい

ペーパーバックで文学作品を読みたい英語上級者には、この『対訳』シリーズは、本当におススメの本です。

こんな愚直すぎる英語テキストを出した、勇気ある出版社さん(→南雲堂)に感謝です!

Happy reading!