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この記事では、僕のお勧めする
- 英単語帳を使わない
- 音読しない
- 単語ノートを作らない
という、らくらくボキャビル法を紹介します。
僕の現在の語彙力は、ヘボいですが、だいたい2万語くらいかなと思います(後述)。
そのうち、1万語程度を今回紹介する方法で習得しました。
暗記の得意でない僕がいろいろなやり方を試してようやくたどり着いた、現時点で一番納得しているボキャビル術です。
ネットでざっと調べても、残念ながら似たような方法を紹介している人は見当たらないので、単語帳に苦しめられている学習者の役に立つかもしれないと思い、記事化します。
ボキャビルで悩んでいる人、本気でネイティブ並みの語彙力をつけたい人は参考にしてみてください。
スローボキャビルのススメ(注意点)
最初にこのボキャビル法の欠点をお伝えしておくと、
時間がかかります!
1000語を身につけるなら、おそらく1年くらいはかかると思います。
最近の「1秒単語」や「Anki」派の方々だと、1000語を1カ月くらい(?)で覚えたりするので、それに比べたら超スローです。
(ちなみに僕も昔それに近いやり方をやっていたので否定はしません)
だから長期戦の覚悟が必要です。
でもその分、
- 楽しい
- ラク
- 続けやすい
です。
また単語や対訳を頭に無理矢理詰め込んでいるわけではないので、身に付いた単語は普通にネイティブ的な感覚で理解し、(うまくいけば)使いこなせるようにもなります。
(言葉のイメージやニュアンス、使い方も身に付く)
僕に言わせれば、デメリットをはるかに上回るメリットがあります。
僕の語彙力とボキャビル歴
恥を忍んで公開します。(苦笑
Test Your Vocabulary
自己申告型の判定システムなので性格も多少影響しそうですが、調査数(参加者)が多いので、わりと信頼できるサイトです(公式サイト)。
実感としては、まぁこれくらいかなと思います。
A Real Me
同意語・反意語のクイズに答える形式なので、学習者の主観が入り込む余地は少ないですが、単語数判定の根拠は謎です(公式サイト)。
これはさすがに多すぎるような・・。A Real Meの数字(語彙力)は大きめに出る傾向があるようです。
2万語のレベル感
ネイティブの場合、
- 小学生 1万語
- 中高生 2万語
- 大人 3万語
くらいの語彙力とされています。
海外へ行くとノンネイティブでも3万語の人は珍しくないので、2万語は英語を日常的に使う人の中で中級レベルと言えるかと思います。
具体的にどういう感じかといえば、
- 辞書なしでCNNやTIMEがわかる
- 日常生活で知らない単語にほぼ出合わない
- 英検1級の語彙問題は全問正解できる
- 洋書(とくにフィクション)では知らない単語が頻出
- 翻訳者としては青二才
です。
僕のボキャビル歴
中学・高校・大学はおもに「教科書・問題集・単語帳」で1万語、社会人になってからは「生の英語」で1万語をボキャビルしました。
(厳密にいうと、いろいろ紆余曲折がありますが、ここでは話をシンプルにしておきます)
最初の1万語は根性で覚えたので、なかなか大変でしたし、時間もかかりました。次の1万語は気づいたら覚えていた、という感じなので苦労した記憶はありません。
ちなみに、これは意識してやったことではなく、結果的にこうなりました。
僕が英検1級をとった当時(約20年前)は、今みたいに1万語レベルを超える英単語帳はほとんどありませんでした。
だから、英検1級レベルの単語帳が終わったら、単語帳でボキャビルしたくてもできなかったのです。
僕自身、英単語に頼らず、さらに1万語の語彙が身に付くとは正直思っていませんでした。
おすすめのボキャビルの方法(本論)
さて、前置きはこれくらいにして、「生の英語」を使った具体的なボキャビルの方法を紹介していきます。
結論から言うと、多読と多聴の両方をセットでやります。
「多聴で本当に語彙が増えるの?」「多読やっているけどボキャビルにあまり効果ないよ」と思う人もいるかもしれません。
多読・多聴って人によってやり方が結構違います。
単に洋書を気ままに読んだり、海外ドラマを適当に見たりするだけなら、たしかにボキャビルという面での効果は限定的かもしれません。
僕の多読・多聴のやり方は、一般のやり方とは少し違うので、そのあたりを詳しく説明します。
【方法1】多読でボキャビル
まずは多読から説明します。
洋書は、単語帳に比べて、「文脈」の中で新しい単語に触れられるので、言葉のニュアンスや用法がわかりやすく、記憶に定着しやすいです。
文脈で覚えるスタイルの単語帳(「速読英単語」など)もありますが、あれだと文章が短すぎて、大して記憶に残りません。
洋書の場合、数時間にわたる「読書体験」(ワクワク・ドキドキ・ハラハラ)を通して、単語が徐々に記憶にしみ込んでいきます。とくに重要な語句は繰り返し出てくるので、重要な語彙ほど遭遇回数が増し、自然に覚えられる仕組みになっています。
多読のやり方(5ステップ)
ポイントは
- 洋書を読む
- ふせんを使う
- 見直す
です
1.自分のレベルに合った簡単な洋書を選ぶ
難しすぎる洋書はNG。
これまで洋書を読んだことない人は、簡単な児童書あたりから始めましょう。
何を読めばいいかわからないという方は、こちらの記事を参考に選んでみてください。
2.付箋を貼りながら読む
ストーリーを楽しみつつ、知らない単語があれば、その行にさっと付箋を貼って、文脈から意味を推測してみましょう。
すぐに辞書で調べる必要はありません。
速読はせず、なるべく読み飛ばさず、自分のペースでしっかりとストーリーを理解しながら読み進めていきます(どちらかといえば「精読」に近いかも)。
付箋をパッと貼るだけなので、時間をとられず、読書を中断しなくていいのでラクですね。
3.付箋の箇所を見直す
きりがよいところまで読んだら、付箋のところを見直しましょう。
自分の英語レベルに合った本を丁寧に読んでいたら、ほとんどの単語は辞書を調べなくても意味がわかるはずです。とくに児童書の場合はイラストが多いので、絵を見て単語の意味がわかることもあります。
それでも意味がわからないところや、何度も出てきて重要そうな単語だけ辞書で調べましょう。
(Kindleなら辞書機能があるので便利です)
洋書の隅に書き込んだり、オリジナル単語帳を作ったりする必要はありません(面倒なので)。
一度調べた単語は、前後数行を読み返せば、わりとすぐに意味を思い出せるはずです。
4.次の日は復習からスタート
本の続きを読み始めるときは、前日にふせんを貼った箇所を軽く見直しましょう(2~3分くらい)。
2日連続で見ることで、より記憶に残りやすくなります。
5.再読する(推奨)
1冊読み終わったら、同じ洋書を続けてもう一度読んでみましょう。
ふせんのところだけでなく、もう一度ストーリー全体を通して読みます。
その過程で、ストーリーの伏線などに気づき、単語のニュアンスなどに対する理解も深くなります。
下記の記事では、付箋術を含めた、おすすめの洋書の読み方を紹介しています。
【方法2】多聴でボキャビル
次に多聴(リスニング)をします。
多読だけで終わると、せっかくのボキャビルの効果が半減します。
文字を見てから意味を思い出すのに数秒かかるようだと、英会話などの実戦では使えません。
英語の音を聞くと同時に瞬間的に意味を理解できて、はじめてボキャビルは完成です。
(=日本語に訳さず、英語を英語のまま理解する)
そのレベルに持っていくために、多聴がきわめて重要になります。
多聴の方法(コツ)
オーディオブックを使います。
ポイントは、多読で読んだ洋書のオーディオブックを聴くことです。
つまり、リーディングとリスニングを連動させるということです。
一度読んだ本なら、ストーリーが頭の中に入っているし、単語も一通り知っているはずです。
その状態で聞くと、聞き取りが楽ですし、ストレスがありません。
もちろん、聞きながら「あれなんだっけ?」というところは洋書を見返してOKです。
オーディオブックの使い方&聴き方
移動時間などを使って、リラックスした状態で何度も聞きましょう。
TOEICのリスニングテストみたいに120%集中して聴かなくて大丈夫です(一字一句聞き取ろうとする必要はありません)。
ストーリーを楽しみましょう。
オーディオブックの良いところは、音楽と同じで繰り返し聴くのがあまり苦にならないことです。
隙間時間を見つけて、どんどん聞く癖をつけましょう。
1カ月あれば、5~10往復くらいはできるはずです。
おすすめのオーディオブックサービス
いろんなサービスがありますが、僕が愛用しているのはこれです。
Audibleは、Amazonの定額朗読音声サービスです(月額1500円)。
大手だけあって、有名どころの作品はだいたい揃っているので便利です。
基本的に月に1冊分しか利用できない(=コイン1個しかもらない)のがデメリットですが、たくさん聴きたい人でなければ、とくに不便はしません。
2022年1月より聴き放題サービスへと進化しました!!
毎月1冊を多読・多聴する
最初は、毎月1冊くらいの無理のない読書ペースがおすすめです。
オーディオブックもそれに合わせて月に1本を繰り返し聴くようにしましょう。
普通の英語学習者なら、200~300ページの洋書で、知らない単語(イディオムや固有名詞も含む)がたぶん100個くらいは出てくるはずです。(見開き2ページに知らない単語が1個くらいの割合)
それくらいだと、辞書を引かなくてもすらすら読めます。
1カ月に1冊として、年間1200語ボキャビルになります。
中にはしばらく見ないと忘れていく単語もあるので、そのうち定着するのが1000語くらいのイメージです。
(←精読×再読×精聴×再聴・・・と「連動」と「反復」を組み合わせているので、忘却率がかなり低めです)
これを続けると、10年後にはざっくり1万語くらい語彙が増えます。
メリットとデメリット
単語帳と比べたときの、洋書+オーディオブックでボキャビルするメリットとデメリットをまとめます(あくまで所感です)。
メリット
いっぱいありすぎて、思いつくものをいくつか挙げると・・・
- 楽しい、ラク、続けやすい
- ストーリーと関連づけて覚えるから記憶が定着しやすい
- 単語のニュアンスもわかりやすい
- 重要な単語は何度も出てくるから自然に覚えられる
- 日本語訳せず、英語の「音」として脳にインプットされる
- 熟語やスラング、固有名詞なども覚えられる
- 単語帳のつまらなさから解放される
- 勉強が苦手な人でなくても無理なくボキャビルできる
- 英語の総合力が身につく(=英単語だけでない)
デメリット
- 習得に時間がかかる(年単位)
- 目先の試験対策にならない
- 人によっては単語のジャンルが偏りがち
目先のテスト対策をしたい人にはおすすめしません。
TOEICや英検のように、試験範囲や出題語彙がある程度決まっているテストなら、それに対応した単語集や過去問をやった方が早くて効果的です。
多読・多聴は遠回りをしてでも、本物の力をつけたい学習者向けです。
また、中には好きなジャンルの本ばかりを読んで語彙が偏る人もいるので、いろんな分野の本を意識的にインプットすることも重要です。
さいごに
今回は、僕がどうやって単語帳なしで1万語を覚えたかという話をしました。
英語を本当に習得したいなら、単語帳をやっても、そのあとに多読・多聴は必ず必要になります。単語帳だけで、学習が完結することはありません。
そう考えると、最初から単語帳なしで、多読・多聴で覚えていくというのもアリです。
多読・多聴の「ついで」にボキャビルする、というイメージです。
このように「ついで」にやると、単語暗記にかけていた膨大な時間をほかの学習に割けるので効率が良いです。
また長い目で見たら、単語だけでなく、熟語やスラング、口語表現などの知識が身に付きますし、多読・多聴を通してリーディングやリスニングなど英語の「総合力」が鍛えられます。英語圏の文化、社会、歴史という「コンテンツ」そのものを学べるのもうれしいですね。
この方法、すごくおすすめですが、単語帳からなかなか離れられないという人も多いと思います。
「単語帳やらなくて大丈夫?」「読書でボキャビルできるの?」などと不安になる気持ちもわかります。
おそらく大切なのは、一歩を踏み出す「勇気」なのではないかと思います!(←大きく出た)
実際、好きな洋書をたくさん読んだり、お気に入りのドラマをたくさん見ていると、自然にボキャビルできるのに気づくはずです。
僕はそこに気づくのに時間がかかりました。
もっと早い段階でこの方法を取り入れたら、効率的かつ効果的にボキャビルできたと思います。
この記事をきっかけに、単語暗記の苦労から解放される人が少しでも増えたらうれしいです。
Keep on learning!