誰も教えてくれないTOEFL攻略法【アカデミック英語に強くなる】

The following two tabs change content below.
macha

macha

アラフォー翻訳家。英検1級/TOEIC満点/言語学修士。「極力勉強せず、楽しみながら英語力を自然に上げる」がモットー。英語育児(5歳)も実践中です。

この記事では、元TOEFL講師の僕がおすすめする、少々型破りな勉強法を紹介します。

TOEFLに関する情報はネット上にたくさんありますが、そのほとんどはおすすめの問題集や単語帳などを紹介して、その使い方を解説したものです。

そういうガチなテスト対策もいいのですが、長い目で見たときに、もっと根本的に、楽しみながらTOEFL向けの英語に触れた方がのちのち伸びしろが大きく、実際の留学生活でも役立つのではないかと思います。

そこで、アメリカ留学経験者の一人として、今再び学生に戻って「もう一度留学するなら間違いなくこれをやる」という方法をまとめました。公式テキストや問題集だけで飽き足りない人は、ぜひ参考にしていただければと思います。




はじめに(注意点)

この記事で紹介しているのは、少し遠回りしてでも、本物の英語力を身につけるための方法です。

もしテスト本場まで残り1~3カ月ほどしかないなら、今すぐ公式問題集をやった方がいいです。

でもそうでなくて、半年~1年くらい準備期間があるなら、この記事で紹介する学習法をやって、しっかり英語力の土台を築いた上で、3カ月くらい前からテスト向けの対策に切り替えるのがおすすめです。

僕のTOEFL歴

最後に受けたときのスコアは、学生時代(←大昔)のPBTで647点(※iBT換算:111点~)です。TWE(ライティング)は、6段階の評価で5でした。

※出典:公式サイトより

アメリカの大学院に出願するつもりで受けましたが、諸事情により留学を断念し、結局使わなかったスコアです。笑

その後、某英会話スクールで通常の英会話に加えて、TOEFL対策クラスも2年ほど教えていました。テスト形式がPBTからCBTになり、今はiBTになりましたが、テストの根本的な狙いや目的はあまり変わっていないと見ています。

また僕自身がアメリカのトップ大学に留学していた(&大学院でもみっちりアカデミック英語に浸っていた)ことから、授業や論文、大学生活に求められる英語力がどういったものかもだいたい理解しているつもりです。

お勧めの学習法(レベル別)

では具体的に紹介していきます。面食らわないでくださいね。笑

初級(iBT60以下~80点くらい)

まず、TOEFL特有のアカデミックな語彙を攻略します。といっても、単語帳は使いません。

The Magic Tree House

アメリカの小学1~2年生が読む定番のチャプターブック(物語シリーズ)。兄ジャックと妹アニーが時空を超えて、中世や古代エジプト、恐竜の時代などに旅するSF冒険ストーリーです。なので、これを一通り読むと、小学校レベルの社会や歴史の基本的な語彙・知識が身に付きます。

全28巻あるので、余裕がある人は全巻読んでみてください。はやい人なら1冊1時間もかからず読めるので、1日1冊として1カ月で完読できます。英語も簡単なので、留学生活で必要な速読の導入トレーニングにもなります。

気に入った人は続編の「Magic Tree House Merlin Missions」もどうぞ(全25巻)。

The Magic School Bus

こちらもアメリカの小学生に大人気の物語シリーズです。主人公の子供たちが宇宙を旅したり、人体の中を探検したりと、自然科学を楽しく学ぶことを目的に作られています。だから、TOEFLに必要な理科・科学の語彙と知識が身に付きます。

The Magic School Busには、四角い絵本と、イラスト中心のリーダー(The Scholastic Reader Level 2)と、文字中心のチャプターブックなど、いくつかのバージョンがありますが、留学目的ならチャプターブックがおススメです。英語力が不安な人はリーダーでもよいと思います。

Netflixでは1994~97年のオリジナルアニメと「The Magic School Bus」(PBS Kids)と、2007年の続編アニメ「The Magic School Bus Rides Again」が両方見られるので、ご興味のある方はぜひどうぞ(僕も続編は全部見ました)。

The Usborne Children’s Encyclopedia

普通の図鑑は情報量が多すぎて正直あまり読む気がしませんが、こちらの図鑑は、文章量とイラスト(写真)のバランスがちょうどよく、大人でも楽しく読み進められます。とくに素晴らしいのは、各ページにQRリンクが貼ってあり、それぞれのトピックに関連した2~3分のインタラクティブ動画が見られる点。図鑑を読んでから動画を見ると、リスニングの練習にもなります。


動植物、身体、科学、生活、歴史など、あらゆる分野を網羅しており、これ1冊でTOEFL向けの語彙と知識はほぼカバーできます。1日2ページなどと決めて読んでいくのがおすすめ。

中級(iBT80~100点くらい)

より実践的な英語を学べる定番サイトや書籍を紹介します。スピーキングやライティングにも役立ちますよ。

TED Talks

ご存じの通り、さまざまな分野のトップランナーが最新の研究成果やトレンドなどをわかりやすく語るグローバル講演プロジェクトです。TEDのプレゼンは、大学の講義スタイルにそっくりなので、TOEFLの講義形式の問題に慣れるのにぴったりです(実際、大学の研究者も多数出演しています)。

公式サイト

難しい印象を持っている人もいるかもしれませんが、あくまで一般オーディエンス向けの講演なので、専門的な話であってもかみくだいて説明してくれます(逆に言えば、これが理解できなければアメリカの大学の授業にはついていけません)。1本18分以下と短いので、毎日1本のペースで見ていくと、いろんな分野の幅広い知識と語彙が自然に身に付きます。

今まであまり見たことない人はTEDの人気講演を集めた「25 Most Popular」から見るのがおすすめです。

50 Successful Harvard Application Essays

自分を魅力的に見せるための、気の利いた文章の書き方が学べます。また、どういう学生がアメリカのトップ大学に受かるのかがわかり、モチベーションアップにもつながります。何よりも生徒たちのいろんな人生が垣間見えて、読み物としてなかなか面白いです。


ハーバード大学に合格した優秀な生徒たちのエッセーを50本収録(解説付き)。StanfordやIvy League、ビジネススクールなど、ほかにもいろいろなバージョンが出ています。

THE SLANGMAN GUIDE TO STREET SPEAK

実際に留学すると、友達同士の会話はスラングが中心で、アカデミックな英語を使うことはまずありません(笑)。なので日本にいる間にスラングにも慣れておくと、留学後の苦労が半減します。

パーティや買い物、映画などシーン別に、実用的なスラングやイディオム(「chill out」「have a blast」など)が多数掲載されています。全3巻。音声CDは別売り。

僕は同じ作者が書いたこの本の前身となる「Street Talk」(絶版)を昔、熟読しました。

上級(iBT100~120点)

いよいよ最終仕上げの段階です。実践を通して英語力を伸ばしていきましょう。

Crash Course(オンライン講座)

「英語×教養」をガチで学びたい人におススメなのがこちらのサイト。ベストセラー作家のジョン・グリーンと弟ハンク・グリーンが立ち上げたYouTube教育チャンネルで、経済学、心理学、世界史、ビジネス、宇宙、AIなどいろんな分野の基礎がざっくり学べます。

公式サイト

動画を視聴するスタイルなので、インタラクティブではありませんが、講師陣は個性豊かでファンキーなので、楽しく教養を学べます。また完璧な字幕がついているのも、うれしいですね。

TED-Ed

関連トピックをもっと深く知りたいときに便利なのが、こちらのサイト。

公式サイト

TEDの教育機関向けコンテンツで、政治・社会・経済・科学など幅広い分野の基礎知識を5分程度の短いアニメーション動画でまとめています。ただし、一般聴衆を対象にしたTEDよりも内容が専門的で難しいので、全部を完璧に理解しようとする必要はありません。あいている時間に気分転換に見ていくのがいいでしょう。

edX(オンライン講座)

留学準備の最終段階として、実際に自分が専攻したい分野の入門クラスをオンラインで受講(聴講)してみるとすごく力がつきます。単位取得のプレッシャーがないので、純粋に勉強を楽しめるし、今まで手を出したことのない新しい専門分野にチャレンジするのも手です。

公式サイト

MOOCs(オンライン教育サイト)はほかにもCoursera、Udemy、Udacityなどいろいろありますが、edXはアートや文学、心理学、歴史学、語学など人文系のコースが充実していて、無料のコースも多いので個人的におすすめです。ハーバード大学とMITが共同設立し、現在2500以上のコースを提供しています。

macha
僕も仕事に必要なスキルや知識をたまに学んだりしてるよ。笑

The Elements of Style

TIME誌の「ノンフィクション100冊」にも選ばれた、英文ライティングの古典的名著。英語の文章を書く時に抑えておきたい、心構えやルールが豊富な例文とともに丁寧に解説されています。とくに無駄をそぎ落としたシンプルな文章スタイルは、TOEFLはもちろん、今日のアカデミックライティングの標準になっているので、一度は目を通しておきたい一冊です。

紹介したツールの活用方法

上記のサイトや書籍をただ読んだり、見るだけだともったいないです。せっかくそれなりに時間をかけてインプットしたので、アウトプットの力を伸ばすチャンスです。

1.英語の文章にまとめる

上記の本を読んだり、動画を見たりしたあと、忘れないうちにその内容を数百字程度の英語の文章にまとめてみましょう。テストではないので、わからない単語はその都度調べて構いません。こうやってアウトプットすることで、自分の考えを英語で表現する力がつきます。これは、もちろんTOEFLで出題される要約文やエッセーの練習になります。

2.オンライン英会話で発表する

オンライン英会話をやっている人なら、上記で自分が書いた文章を先生の前で発表してみましょう。一度文章で書いた内容であれば、比較的スムーズにスピーキングできるはずです。文章を先生に添削してもらったり、それをトピックにしてディスカッションするのもお勧めです。

TOEFL対策の考え方

最後に、僕のTOEFLに対する考え方を紹介します。

1.専門性はあまり高くない

TOEFLは留学生が「アメリカの大学でやっていける最低限の英語力があるかどうか」を見るためのテストです。

アカデミックな英語力を問う試験とされますが、実はそこまで専門性は高くありません。文系から理系の人まで、あらゆる専攻の人が受けて、不公平感がないように作られているからです。

社会科学や自然科学の専門用語が出てくるといっても、「photosynthesis(光合成)」や「fault(断層)」「molecule(分子)」など、しょせんはアメリカの小学校の社会や理科のレベルです。

だから、この記事で紹介したチャプターブックや図鑑などを使って、各分野の基本的な語彙や知識をしっかり身につけておくと、TOEFLは意外に楽勝です。

(実際、TOEFLの単語帳に掲載されている語彙の8割くらいは、アカデミックというより、英検やTOEICにも共通する「一般語彙」です)

2.TOEFLの主な目的は「足切り」

多くの大学では出願要件の点数さえクリアすれば、TOEFLの点数で合否が決まるなんてことはほとんどありません。

入学審査で重視されるのは学校の成績や課外活動、エッセー、そして推薦文などです。なので、出願要件80点の大学に、90点のスコアを出そうが100点のスコアを出そうが、正直、大した違いはありません。

もし合否のボーダーラインすれすれのところに複数の志願者がいて、学業成績やエッセーなどほかの評価がまったく同一の場合は、最終的にTOEFLで合否が決まることもあります。が、その程度です。

大学側の本音としては、TOEFLの点数が低くても、専門分野で何か突出した才能をもつ学生を採りたいと思っているはずです。英語力なんて留学してからいくらでも伸びるからです。

3.TOEFL対策にあまり時間をかけない

留学生活に備えて準備しておくべきことは山ほどありますよね。ビザのこと、お金のこと、生活面でのこと、あるいはGREやGMAT、SATなど、ほかのテスト対策をしなくてはいけない人もいるかもしれません。

なので、TOEFLの勉強にあまり時間をかけるのは得策ではないです。出願要件さえクリアすれば、ぶっちゃけ、あとは自己満足の世界です。

実際、留学してから現地でTOEFLのスコアなんて話題にすらならないです。(そもそもアメリカ人はTOEFLの存在すら知らない)

TOEFLの対策はなるべく最小限にして、専門分野の勉強など、ほかのもっと有意義な学習に時間を使いましょう。

まとめ

いかがでしょうか? この記事では、楽しみながらTOEFLに役立つ「英語力の土台」を磨くための学習法を紹介しました。

この方法を実践すれば、TOEFL専用の勉強は最小限で済むと思います。ライティングやスピーキングはもう少し対策が必要ですが、その土台となる英語力はかなり磨かれるはずです。

またTEDレベルの英語が字幕なしである程度理解できるくらいになると、リーディングやリスニングに関しては、あまり対策しなくてもハイスコアがとれるようになるので、その分、アウトプットに集中することができます。

公式テキスト中心の対策ばかりをやっても伸びしろに限界があるので、ここで取り上げた方法をうまく組み合わせて、留学生活で役立つ「本物の英語力」を楽しく身につけていただければと思います。

Good luck!