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「映画を字幕なしで見たい」
「洋書をスラスラ読めるようになりたい」
そんなことを目標に、日々、英語学習を頑張っている人も多いと思います。
ところが、いくら英語の問題集や参考書をやっても、残念ながら、映画を字幕なしで見たり、洋書をスラスラ読めるようになったりはしません。
実は、中級者から上級者にレベルアップするためには、まったく別のアプローチが必要になります。
ではいったい何を使って、どんなふうに英語を学べばよいのでしょうか?
今回はネイティブ並みの英語力を身につけるために必要なアプローチについて、イメージを使いながら考えてみたいと思います。
英語中級者が見ている世界
まずこの写真をご覧ください。
巨大な氷山ですね。英語では「iceberg」と言います。
かのタイタニック号を沈めた犯人ともされ、美しいと同時に、恐ろしい存在です。
なぜいきなり氷山の写真を出したかという説明は後回しにします…。
ここでは、目の前に立ちはだかる「難敵」という意味で、この氷山を英語学習に見立ててみましょう。
たとえば、こんな感じに。
英語を習得するためには、やるべきことが山ほどありますよね。
英語をマスターするというのは、多くの日本人にとって、非常に手ごわく、困難です。
でも実は、ここで挙げたようなタイプの英語学習をいくら続けても、ネイティブの「生の英語」はなかなかわかるようにはなりません。
なぜでしょうか。
それは、この絵が「氷山の一角」にすぎないからです。
英語上級者が見ている世界
ネイティブレベルを目指している上級者には、おそらくこんな世界が見えているはずです。
さきほどの氷山の下側に、まったく新しい世界が広がっているのがわかります。
氷山は一般に、目に見えるのは全体の体積の10%くらいで、残り90%は水面下に隠れているとされています。
本当に重要なのは、目に見えない下の部分なんですね。
言葉というのは、それを使う人々の文化や歴史、伝統、風習、社会、経済などの上に存在しています。
そうした土台となる部分を無視して、言葉だけを習得することはできません。
そこで必要となるのは、氷山の上だけでなく、氷山の下をも見据えた学習ということになります。
氷山の下はまったく想像ができない
残念ながら、これまで日本の英語教育では、氷山の下の部分はほとんど無視されてきました。
でも氷山の下を攻略せずして、本当の意味で高い語学力を身につけることはできません。
言うまでもなく、国が違えば、文化も歴史も価値観も大きく異なります。
だから、「ツール」としての英語だけを学んでも、コミュニケーションはうまくいかないのです。
どうすれば両方をいっぺんに学べるか
氷山の上の部分は、英語の参考書や単語帳などを使えば、ある程度は学ぶことができます。
が、下の部分はまったくといっていいほど学べませんよね・・・。
話の背景となる重要な社会・文化的知識がないと、映画(英語)を見たり、洋書を読んだりしても、すぐにつまずいてしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか。
実は、両方を一度に学べるおすすめの学習法があります。
「多読多聴」です。
多読多聴なら、英語を通して、英語圏の文化やアート、歴史など、さまざまな「教養」が身につきます。
英語を楽しみながら、氷山の上と下を同時に学ぶことができるのです。
問題を解くためではなく、知識やスキルを身につけるために、英語を読んだり、聞いたりするようにしましょう。
あくまでも本丸は氷山の下です。
おすすめの素材はコレ!
さて、一口に多読多聴にいっても、洋書やYouTubeなど、いろんな素材がありますよね。
また自分が得意でもない分野を英語で学ぶのって、かなり大変そうです。
ここでは、僕自身が実際に使って役立ったおすすめの素材を3つ紹介します。
いずれも専門知識がゼロでも、楽しむことができます。
1.TED Talks
いまさら説明不要かもしれませんが、TED Talksは各界のオピニオンリーダーたちの極上のプレゼンを集めたサイトです。
- 最先端の「知」のトレンドがわかる
- 毎日見ててもあきない
- 「勉強」っぽさがない
- 1つの講演が20分以下なので継続しやすい
- ビジネスのプレゼンでも使える丁寧な言葉遣いを覚えられる
- 英語圏以外の人もたくさん登壇するから楽しい
- スピーチの修辞法(テクニック)を学べる
語学の勉強は、自分の興味のある分野に偏りがちです。
でもTEDを使えば、毎日10~20分くらい続けるだけで、経済、テクノロジー、アート、建築、科学…など、幅広い分野の最新知識が身につきます。
話すスピードがコントロールされていて、語彙も厳選されているので、TOEIC800点くらいあれば、十分チャレンジできると思います。
1年くらい見続けると、たいていの話題に英語でもついていけるようになります。
2.ABCやBBCなどのニュース番組
TEDである程度英語に慣れたら、次にお勧めしたいのがニュースです。
ニュースも同じく、毎日いろんなジャンルの話題が扱われるのでおすすめです。
- 政治、ビジネス、芸能、トレンド、スポーツなど、幅広い英語表現に触れられる
- 1つのニュースが数秒~数分なので、忙しい人でも継続しやすい
- 英検準1~1級レベルの単語が頻出
- ニュースを通して社会や文化についても学べる
- 重要なニュースは連日報道されるので知識が蓄積される
欧米のメディアは一般に日本よりもジャーナリズムのクオリティが高いので、ドキュメンタリー映画並みに面白い番組が多いです。
また映画や小説と違って、使われるのは実用的な単語ばかりなので、覚えたらすぐに実践で使えますよ。
↓英語ニュースを使ったおすすめの学習法はこちらの記事をご覧ください。
3.教養本『The Intellectual Devotional』
学校で習うような「教養」を手っ取り早く身につけたい人におすすめなのがこちらの本です。
アメリカでシリーズ累計100万部以上売れたベストセラーです。
1トピックが1ページなので、話に深みはないですが、歴史や哲学、科学など、さまざまな分野の教養を英語でさらっと学べます。
日本でも邦訳書『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』が出ているので、英語力にあまり自信がない人は「対訳」本として使うこともできます(シリーズ本がいろいろ出ているのでタイトルをよく確認してくださいね)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
外国語を使いこなせるようになるには、膨大な時間がかかります。
上級レベルを目指すなら、5000時間以上のインプットが必要とされています。
それだけの時間をかけて、語学「しか」学べないのはもったいないですよね。
5000時間あれば、ほかにいろんな勉強ができますし、人生の可能性を広げることもできます。
ちなみに英語の勉強に5000時間費やすなら、かわりに
— macha@パパ翻訳家 (@natively_fun) August 21, 2018
・中小企業診断士 1000時間
・簿記1級 500~600時間
・証券アナリスト 150~200時間
・FP2級 150~300時間
・応用情報技術者 400~500時間
(公式HPなど参照)
を全部とっても、約2000時間以上おつりがきます。
むしろ、こっちが最強かも。
こうした時間の無駄を回避するには、「英語を通してほかの知識やスキルも同時に身につける」のがベストです。
要は、「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」ということですね。
多読多聴 → 「英語で学ぶ」
英語「で」学ぶようになると、氷山の上と下の両方を一度に学べるのでとても効率的です。
またコンテンツに集中できるので、学習プロセスも100倍くらい楽しくなります。
本当の上級レベルを目指す人は、なるべく早い段階で「英語で学ぶ」アプローチを取り入れましょう。
ぜひここで紹介した学習法にチャレンジしてみてくださいね。
Good luck!