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こんにちは、我が家では息子0歳のときからおうち英語をやってます。
小学校に入学したのを機に、ベネッセ(進研ゼミ)の英語デジタル教材「Challenge English」(チャレンジイングリッシュ)を本格的に始めました。
それまではDWEを中心に英語のインプットをしていたのですが(参考記事)、読み書きスキルがまったく身につかなかったので、英語絵本が一人でも読めるよう、フォニックスからきちんと学びたいと思ったのがきっかけです。
それから約1年。その間に1000レッスン以上(レベル3~5)をクリアし、チャレンジイングリッシュを始める前には気づかなかった良い点や悪い点などいろいろ見えてきました。
そこで、今回はCEのメリットやデメリットを「おうち英語」の視点で体系的にまとめてみました!
実際に息子がやっているほとんどの時間は横で見ながらがっつりサポートしていた(今もしている)ので、かなりつっこんだレビューになっています。
チャレンジイングリッシュ(CE)が気になっている方や、始めるべきか迷っている方はぜひご参考に!
Challenge Englishってどんな教材?
ずばり、英語4技能(聞く、読む、話す、書く)の習得を目的とした、小学生~高校生向けのオンライン英語教材です。
他の英語教材は暗記系だったり、読む・書くなどのスキルに結構偏っていたりするのですが、チャレンジイングリッシュは4技能をバランスよく学べるのがポイントです。
英語レベル
全12段階と細かく分かれています。
- レベル1~8 →小学生向け
- レベル9~12 →中高生向け
(それぞれ別プログラムなので、別途申し込みが必要です)
最初にレベルチェックテストを受けて、子どもに合ったレベルから始められます。
レッスン内容
大きく分けて
- 4技能レッスン:自分のペースで日々取り組む「聞く、話す、読む、書く」レッスン
- オンラインスピーキング:外国人講師と英語で対話するレッスン(別途申込、有料オプション)
の2本柱からなります。
このほか、ライブ授業などのお楽しみイベントやAIスピーキングなどのコーナーもあります。
総学習時間
小学生向けのレベル1~8を全部通して学習すると、240時間くらい。
(1レッスン約5分×1ステップ約30レッスン×12ステップ×8レベル)
わかりづらいですが、毎日5分ほど取り組む場合(1レッスン)、約1カ月でひとつのステップが終わり、1年ほどでひとつのレベルをクリアできます。(毎日2レッスンすればその倍のスピードで進めます)
学習効果と目標レベル
小学生向けのChallenge Englishでは、レベル8終了時点で、中学3年生までに習う語彙や文法を習得できるとされています(英検3級相当)。
中学生・高校生向けのChallenge Englishでは、さらに高校卒業相当までの英語力が身につくそうです。
語彙に関しては、各レベルで200~300の新出単語を学び、レベル8までに1625語を習得します。
学習環境
利用するには、専用タブレット(チャレンジタッチ)か、パソコン(Windows/Mac)、あるいはiPadが必要です。
他の英語教材との違い
同じくベネッセさんがやっている他の教材・プログラムと比較すると、
- こどもちゃれんじ English:1~6歳の幼児向け。英語の土台を作る基礎プログラム
- Worldwide Kids:0~8歳の乳幼児・小学生向け。約2000時間の本格的なAll English教材
- Challenge English:小学生・中学生・高校生向け。4技能をオンラインで学ぶ習熟度別プログラム
こどもちゃれんじやWWKと違って、文字の読み書きや文法をきちんと学ぶので、よりお勉強っぽい内容だと言えますね。
メリット(おすすめのポイントや効果)
では、チャレンジイングリッシュをやって良かった点を片っ端から挙げてみます。
教材(アプリ)のクオリティが高い
よくあるお遊び程度の学習アプリかと思いきや、ものすごくよく考えて作られているのにびっくりします。子どもから自然なアウトプットを引き出すために、インタラクティブなコンテンツが多く、子どもを飽きさせないための工夫も随所に見られます。さすがベネッセさんというべきでしょうか、クオリティの高さが素晴らしいです。
スピーキングのレッスンは番組風の作りになっています(↑)
4技能+文法、単語、発音のすべてを網羅
英語4技能(読む・書く・話す・聞く)をすべて網羅してくれます。また単語や文法、発音専用のレッスンもあるので、これ一つで体系的に英語力が身につきます。とくにレッスンの中でネイティブの発音をまねたり、英語で答える場面もたくさんあるので、スピーキングの練習もできる点が嬉しいですね。
↑レッスンではリスニングや単語、文法などスキルごとに魅力的なキャラクターたちと一緒に英語を学んでいきます。
進研ゼミ会員なら無料
チャレンジ(進研ゼミ)のオプション教材なので、会員なら追加受講費ゼロ円で学べます。
ちなみに2019年3月までは月2000円くらいの追加オプションだったので、それが無料で受講できるのはお得ですね。
※外国人講師とのマンツーマン英会話「オンラインスピーキング」は有料オプションです。
初心者から英検準1級レベルまでカバー
英語をこれから始める子供から、英検準1級レベルの上級者まで、習熟度別に幅広いレベルをカバーしています。フォニックスなど英語の初歩から段階的に学べるように設計されていて、CEFR(言語能力の国際指標)にもマッチしているので、どのレッスンでどれくらいの実力が身につくのかわかりやすいです。
こちらの図には載っていませんが、ベネッセさんの各種資料によると、
- レベル1~4:小学生レベル ←小学生版CEを利用
- レベル5~8:中学生レベル ←小学生版CEを利用
- レベル9~12:高校生レベル ←中高生版CEを利用
となっています。
このうち、レベル6で英検5級、レベル8で英検3級、レベル12で英検準1級レベルとのことです。
(※有料オプションの「オンラインスピーキング」も併用した場合の4技能トータルの到達レベル)
英検準1級レベルまで学べるオンライン教材は少ないのでとても貴重ですね。
学年・年齢を超えて「先取り」できる
1レッスンは5分程度なので、ちょっとした空き時間を使って子どものペースで学習を進めることができます。1カ月に1ステップをクリアする(=1日1レッスン)のが目安とされていますが、やる気のある子なら、どんどん先取りすることもできます。
1日1レッスンだと、ちょうど1年くらいで1つレベルをクリアできます。スケジュールを立てやすいのもメリットです。
英検対策にも使える
チャレンジイングリッシュには通常に4技能レッスンに加え、「4技能検定対策テスト」が用意されているので、英検やGTECなどの資格試験に近い内容で腕試しができます。
紙のワークブックもあり
保護者専用サイト(「おうちのかたウェブ」)から子供の学年・レベルに合ったワーク「Challenge Englishワーク」(PDF形式)を無料でダウンロードできます(有料オプションのオンラインスピーキングを受講している場合は印刷版が家に届きます)。1冊あたり15レッスンと練習量は少ないのですが、タブレットやパソコンで学んだ内容に対応しているため、知識がきちんと身についているかを紙でもチェックできるのは嬉しいですね。
子どもが楽しめる工夫がいっぱい
毎日似たようなレッスンばかりだと単調になりがちですが、外国人の先生から英語を学べるライブ配信型レッスン「CE TVライブ」(無料)や、他のユーザーとつながれるコミュニティ(掲示板)、さらには単語検定をはじめとした特別企画があったりと、学習モチベーションにつながるような仕組みがたくさんあります。
子供の学習経過状況を把握できる
保護者用のサイト「おうちのかたウェブ」にアクセスすると、子供の学習進捗状況を把握でき、学習アドバイスのレポートを読めたりします。また毎回のレッスン終了後に子どもが取り組んだレッスンレポートも親のところにメールで届きます。
↑こういうスタンプがメールで届くのがなにげにうれしいですね。
オンラインスピーキングと連動
オンラインスピーキング講座(月3回で税込2980円)をとると、現在学習中のレベルに対応したスピーキングレッスンが受けられます(我が家はまだやってませんが…)。
1回15分と他社のオンラインレッスンに比べて時間が短い分、受講料も安いのが特徴です。
デメリット(いまいちな点)
…とここまではいいことだらけですが、実際やってみると欠点も多く目につきました。
良くも悪くも「日本人英語」
DWEやORTなど完全ネイティブ英語のバイリンガル教材はいろいろありますが、CEはいかにも教科書や受験問題に出てきそうな日本人英語です。
文法的に間違っているということはないですが、ネイティブが日常的に使う自然な言い回しかと言われたら、ちょっと疑問符がつく文章がたくさん出てきます。
たとえば、「I like science because it’s interesting(理科は面白いから好きです)」や「I was very moved(感動しました)」みたいな日本語を直訳したような英語のせりふがいくつも出てくるので、CEだけだとネイティブ的な英語の感覚やニュアンスは身に付きづらいかもしれません。
復習しづらい
どのレッスンで間違えたかは一目でわかりますが、そのレッスンの中のどの問題を間違えたかまではわからないので、そこだけピンポイントで見直すことができません。復習したいなら、間違ったレッスン中の問題全部をもう一度通しでやるしかないので結構面倒です。
またリスニングもレッスンを通しで全部解かないと、スクリプトを見られません。復習を重視する学習スタイルの人にはストレスかもしれませんね…。
文字入力のハードルが高い
ライティングのレッスンで英単語を入力するときに、画面の下部に表示されたキーボードからアルファベットを選ぶのですが(↓)、キーボードのキー配置になじみのない子供にはなかなか難しいです。目的のアルファベットを探すのに手間取り、時間内にクリアできないことも多々あります。
仕方なく、我が家ではCEを2週間ほど中断して、別サイト(Jungle Junior)でタイピングを一通り身につけてから再開すると、スムーズに進むようになりました。ブラインドタッチまでは不要ですが、どこにどのキーがあるかを瞬間的にわかるくらいの慣れは必要かなと思いました。
時間制限がきつい
各レッスンは制限時間が設けられているので、早く解かないといけなのですが、これは結構きついです(とくにリーディング)。わからない単語があっても辞書を引く時間はありませんし、じっくり読みなおす時間もありません。テスト対策用の勉強なら時間制限を設けるのも理解できるのですが、普段の学習に時間制限があるのは正直不便です。
話の内容が難しいことも(幼児~低学年の場合)
いくら先取りできるといっても、中学レベル(レベル5~)になると幼児や低学年の子には話の内容が難しいことがたまにあります。たとえば、レベル5では「緯度が高くなると日が短くなる」「山の上に行くと気圧が下がって空気が膨らむ」「白色は光を反射しやすい」など、リーディングやリスニングに理科や社会の話題が入ってきます(掛け算の文章題も出てきます)。だから英語力以前に、そういう社会常識や基礎的な知識がないとつまづきやすいです。
日本語がちらほら出てくる
CEのレッスンには日本語がよく出てくるので、「英語は英語で学ぶ」式の学習を続けてきたおうち英語組にとってはちょっと残念かも。設定で「日本語を出さない」も選べるのですが、それを選択しても結構出てきます…(下記は単語レッスンの画面)。
微妙な選択肢がたまにある
英語プロの僕から見ても、どっちを選べばよいか迷ってしまうような設問がたまにあります。イラストの描き方がわかりづらかったり、「どっちも正解では?」と思う選択肢があるので、ここらへんは要改善だと思いました。
メインの教材にはならない(?)
先取り可能な教材ですが、チャレンジイングリッシュだけで英語を学ぼうとするといずれ壁に突き当たるかもしれません。デジタル教材はゲーム感覚で結構クリアできてしまうので、知識がきちんと身につけないまま、どんどん先のレベルへ進んでしまう可能性があります。
ベネッセさんのサイト(中学講座ですが)にも『お子さまが学校や進研ゼミ・塾等で英語学習されていることをベースに、学校の授業や自宅で一人では伸ばしにくい「話す」「書く」力を磨いていきます。』とある通り、英語の文法や単語など基礎知識を身につけてから取り組んだ方が効率的かもしれません。
音声認識の精度が低い
発音やスピーキングのレッスンでは学習者の発音を自動認識してくれる機能があるのですが、精度がかなりザルです。極端な例だと、「Yes, I do」と答えるべきところ、「She went fishing」などと適当に答えてもOKが出るくらいです。あまり発音を厳しくするとクリアできない学習者が続出するためかもしれませんが、精度が低すぎるのであまり参考になりません。
AIスピーキングが微妙
4技能レッスンとは別に「AIスピーキング」というコーナーがあり、友達やペットと英会話の練習ができるのですが、自由に会話できるわけではなく、いろいろ微妙です。
レベルにもよるかもしれませんが、キャラクターが一方的に話してきて、ほとんどの時間はこちらは聞き役です。また音声認識の精度が低すぎて、想定された答え方と違う答え方をすると、正しく認識されず、会話がかみ合いません(たとえば、「Do you~?」に対して、Yes/Noではなく、「I think so」と答えた場合など)。
エスケープキーで画面がいきなり閉じてしまう
細かい点ですが、パソコンアプリの場合、キーボード左上の「ESC」キーを押すと、確認画面も出ずに、一瞬でプログラムが終了しまいます。子どもが間違って押したりすると、途中までやっていたレッスンが保存されないまま終わってしまうので要注意です。うちはこれで何度か泣きました…。
学習内容が個別最適化されない
アプリなのでAIを使って間違った問題や苦手分野を重点的に繰り返せるような仕組みがあればよいのですが、残念ながらそういう機能はありません。全員が同じ問題をやる普通の学習スタイルなので、できなかった問題などはメモするなりして意識的に復習するしかありません。
復習回の単語レッスンが長い
各レベルでステップ6とステップ12は復習用のステージになっているのですが、そのときの単語レッスン(Vocabulary Master)の問題量が異様に多いです(通常レッスンでは10問くらいなのに復習回は40~50問)。うちの子の場合は単語レッスンをやるだけで疲弊してしまいます。全単語を復習しなくていいので、もう少し数を絞ってくれたら…。
遊び(ゲーム)が多い
レッスンをやるとポイントが稼げて、(ネット空間内の)カードを購入したり、世界旅行を疑似体験できるすごろくゲーム(↓)で遊べたりします。子どもにはうれしいですが、親としてはゲーム時間が増えるのは微妙かもしれません…。
1日に1ポイントしか稼げない
頑張ってたくさんレッスンをしても、1日に稼げるのは1ポイントと決まっています。つまり1レッスンやろうが、5レッスンやろうが、稼げるポイントは同じです。やればやるほどポイントを稼げるシステムにした方が学習のモチベーションを上げやすいと思うので、ここらへんは改善と期待したいところです。
たまに字が小さい
リーディングに出てくる地図やサインなどの文字がたまに字がすごく小さくて、13インチの画面に目をかなり近づけないと読めなかったりします。読みづらいし、子どもの目にもよくないのでぜひ改良してほしいですね。
おすすめの学習方法
デメリットのところで挙げたように、リーディングの時間制限が厳しく、復習しづらいのがCEの大きな欠点です。復習する機会がなければ、せっかく新しい単語や表現に出会っても、すぐに忘れてしまいます。
そこで我が家では、リーディングの問題を紙にコピペするなどして、プリント教材を自作しています(かなり面倒ですが…)。
実際のレッスンを始める前に、この自作プリントをあらかじめ子どもといっしょに読んで、軽く内容をおさらいしています。子どもの知識のあやふやな部分や知らない単語などが見えてくるので、必要に応じてサポートできます。
またプリントが手元にあると、いつでも簡単に復習できるので便利です。
どれくらい英語力がついたか?
さて一番気になる英語力について。
期待していた英語を読む力はこの1年ほどでかなりついたように思います。ほかの教材もいろいろ併用しているので(参考記事)、純粋にCEだけの効果かと言われると不明ですが、フォニックスやリーディング、ライティングなどのレッスンをしっかりこなしてきたので、それなりに意味があったと考えています。
書く能力に関しては、やはりパソコンやタブレット上だと実際に手を動かして字を書くわけではないので、まだまだ基本的な単語のスペルミスが多いです。ここらへんは別途対策が必要だなと感じています。
聞く能力については、もともと幼児期の6年間である程度身についていたので、そこから急激に伸びたという感じではありませんが、これまで漫然と英語を聞いていたのが(多聴)、レッスン問題を通して短い文章を集中して聴く力(精聴)が養われてきていると感じています。
話す能力については、オプションの「オンラインスピーキング」を受講していないこともあり、どれくらいの能力が身についているかは正直不明ですが、レッスンで英語を口にする機会は頻繁にあるので、音読的な意味合いはあるのかなと思います。
全体的な印象としては、学校英語や英検などの資格試験で求められる基礎的な英語力がバランスよく身についてきていると感じています。(DWEで言えば、最後の「Step by Step」を継続している感覚に近いです)
このままレベル8までやれば、本当に英検3級くらいには手が届きそうなので、しばらく続けようかなと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。ネット上にはさまざまな口コミや評判がありますが、今回はバイリンガル育児をやっている親の立場からチャレンジイングリッシュのメリット・デメリットをまとめてみました。
欠点もいろいろありますが、英語4技能+αを英検準1級レベルまでオンラインで網羅的にカバーできている教材はほとんどないと思います。
しかも進研ゼミ会員なら無料で使えるのも嬉しいですね。
我が家では始めてよかったと思っています。
ご参考になれば幸いです!