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英語ニュースに挑戦しようかな・・・と思っても、BBCやらCNNやらいろんなメディアがあって、どれが良いのかよくわからないですよね。
またニュースは一般に内容も高度なので、いきなり手を出しても、挫折する可能性大です。
そこで今回は、英語ニュースを毎日見ている翻訳家のmacha(筆者)が、自分の視聴メディアの見直しもかねて、時事英語を効率的に学べるおすすめのニュースサイトを徹底的に調べてみました。
皆さんが同じようにたくさんのサイトの中から選ぶのは大変だと思うので、この記事で紹介した情報を参考に、手っ取り早くニュース英語の醍醐味を味わっていただけたらと思います!
・2021/3/27 初級編で紹介していたNHKの「攻略!ABCニュース英語」が番組の放映終了となったので、おすすめから外しました。手抜きなしのネイティブ英語を学べる貴重なサイトだったので残念です…。
・2020/6/6 初級編でおすすめしていたNHK語学ラジオ講座「世界へ発信!ニュースで英語術」(旧:ワンポイント・ニュースで英会話)は残念ながら、2020年3月30日にサイトの更新にともない、音声出力などが利用できなくなったので、おススメからはずしました。
ニュース英語をお勧めしたい人
次のいずれかに当てはまる人なら、ニュース英語を学ぶ価値があります。
- ビジネスで通用する実践的な英語を学びたい
- 英語でディスカッションやディベートができるようになりたい
- TOEFLやIELTSでハイスコアを取りたい
- とにかく英語がうまくなりたい
ニュース英語はレベルが高いので、本気で英語力を上達したい人にぴったりです。
ニュース英語を学ぶメリット
僕がニュース英語をやってよかったと感じているポイントを紹介します。
1.短時間に効率よく学べる
洋書の多読などと比べて、ニュースは1本1本が短い(数秒から数分)ので、テンポよく学習を進めることができます。また面白くないニュースや記事があっても、次に飛ばせばいいだけなので、英語学習のモチベーションを高く保ちやすいです。
2.ハイレベルな単語力が身につく
ニュース英語では難易度の高い単語がたくさん使われます。「こんなの本当に使うのかな?」というような英検1級の単語も普通に出てきます。だからニュース英語に毎日触れていると、上級レベルの語彙力が自然に身につきます。
3.実用的でビジネスにも役立つ
ニュースは事実を短時間に正確に伝えることが重要。だからシンプルで直接的、かつロジカルな表現が好まれます。その意味で、ニュース英語はビジネス英語にも近いです。ニュースを通して覚えた英語表現は、そのまま仕事でも通用します。
4.スラングが少ない
映画や海外ドラマだとスラングが多いのが学習のネックになりがちです。その点、ニュース英語は基本的に丁寧で模範的な言葉遣いなので、スラングはほとんど出てきません。だから外国人とのコミュニケーションで実際に自分が使っても失礼になるようなこともありません。
5.英語圏の社会・文化・人に詳しくなる
ニュースでは政治や経済から、ビジネス、スポーツ、科学、エンタメまで、多彩なトピックが扱われます。だから毎日海外ニュースを見ていると、幅広い分野の知識や教養が自然に身につきます。こういう知識は英語を読んだり聞いたりする上でもすごく役立ちますよ!
6.面白いから飽きない
毎日新しいニュースがあって、いろんな地域や分野の話題に触れられるので飽きません。とくに英語圏のジャーナリズムはクオリティが高く、日本では見られないような掘り下げた報道も多いです。ずっと見ているうちに1時間経ってしまった、なんてことは日常茶飯事です。そうやって「没入」しているうちに、どんどん英語が上達していきます。
おすすめサイトを選んだ3つのポイント
評判の高い国内外のニュースサイト30以上をリストアップし、片っ端から自分でチェックしてみて、本当に「使える」と感じたサイトを厳選しました。
選定した際の必須の条件は次の3つです。
1.プロの音声が聴ける
英語学習で音声は必須。音を聞いて耳で理解できるようにならないと、英語力は伸びません。プロのキャスターやナレーターによる音声付きのサイトのみを選びました(最近よくあるAIの機械音声は却下)。
2.正確な英文スクリプト(字幕)がある
スクリプトがあれば、聞き取れなくても意味を理解できるし、リスニングの練習になります。字幕がないサイトや、字幕があっても遅延がひどいものや不正確で使いものにならないサイトは却下しました。
3.無料でアクセスできる
有料で良さそうなサイト・教材はいろいろありますが、今回は「手軽に始められる」という点で無料のサイトを選びました。
【厳選】おすすめの英語ニュースサイトはこれ!
【初級編】時事英語に慣れる!
最初に本文を読んで、語彙をチェックし、文章の意味を頭に入れたら、何度も繰り返し音声を聞いてみるのがおすすめです。
1.VOA Learning English(PC・アプリ)
https://learningenglish.voanews.com/
視聴時間:5~10分程度
日本語訳:なし
アプリ:あり
Podcast:あり
アメリカの国営ラジオ放送局VOA(Voice of America)が、非英語話者向けに制作している英語学習サイト。日本語訳はありませんが、全体的に音声が非常にゆっくりなので初心者にやさしいです。また文章はわりと長めなので、多読多聴の入門教材にもぴったり。アプリの機能が充実(再生速度変更、5秒巻き戻し、朗読箇所の自動ハイライトなど)しているので、ぜひインストールしてみてください。
パソコン向けのウェブサイトでは3つのレベルに分かれています。中級コースの「Health & Lifestyle」「Science & Technology」「Art & Culture」「As It Is(国際ニュース)」「Learning English TV(VOA60)」、上級コースの「Education」あたりの記事から探すのがおススメです。
【中級編】時事英語を楽しむ!
まずはざっくり音声を聞いて、話の内容を想像してみてください。次にトランスクリプトを確認して、話の中身を理解したら、何度も聞き込んでみましょう。
2.BBC Learning English(PC・アプリ)
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/
視聴時間:3~6分
日本語訳:なし
アプリ:あり
Podcast:あり
イギリスの国営放送BBCが制作している英語学習サイト。取り上げられるトピックがわりと面白く、またニュースの長さも短いので継続的に勉強しやすいです。アプリも使い勝手の良いので、ぜひスマホに入れておきましょう。いろんなコーナー(番組)がありますが、おすすめは2人のプレゼンターが現代社会のさまざまなトピックを議論するラジオ番組「6 Minute English (Vocabulary)」(6分)と、BBC World Newsで実際に使われた映像を使ってニュース英語を学べる「Lingohack (News)」(約3分)です。どちらも毎週更新で、Lingohackの方がややレベルが高いです。
3.CNN10(PCのみ)
視聴時間:10分
日本語訳:あり※
アプリ:なし
Podcast:あり
アメリカの24時間ニュース専門チャンネルCNNが、主にアメリカの中高生を対象に制作している10分間のニュース番組(平日毎日更新)。毎回、世界各地の興味深いニュースを4本取り上げ、背景や予備知識などわかりやすく解説。本家CNNよりは少しゆっくりですが、一応ナチュラルスピードです。地理や歴史、社会制度の説明など充実しているのでTOEFL対策にも使えます。遅延なしの完璧な字幕を表示できます。
【上級編】本物の英語ニュースを味わう
いよいよネイティブ向けの英語ニュースに挑戦する番です。完璧に理解する必要はないので、細かい点は気にせず、「毎日30分」など時間を決めてニュースを楽しむようにしましょう。
4.PBS NewsHour(PC・アプリ)
視聴時間:約60分
日本語訳:なし
アプリ:あり
Podcast:あり
アメリカの公共放送PBSが毎日放送している看板番組が「PBS NewsHour」(平日1時間、週末30分)。政治・経済ニュースが中心の正統派ニュース番組で、トップニュースにとくに時間をかけて丁寧に解説するのが特徴。公共放送らしく雰囲気もわりと硬派ですが、メインアンカー(平日)のJudy Woodruffさんがゆっくりしたスピードで話すので聞き取りやすいです。ウェブサイトでは画面右上の「Full Episodes」か、メニューの「Shows」、アプリではメニューの「BROADCAST」から番組名を選ぶと見られます。
5.ABC News(PC・アプリ)
視聴時間:30分程度
日本語訳:なし
アプリ:あり
Podcast:あり
アメリカの4大ネットワークの一つ(※)。看板報道番組「ABC World News Tonight」の最新ニュースがたっぷり味わえます。メインアンカーのDavid Muirさんをはじめ少し早口なレポーターが多いので、PBS NewsHourより英語のレベルはやや高め。ウェブサイトのアプリのどちらも、メニューの「VIDEO」をクリックして一番上のニュースから見ていくと、自動的に次のニュースへ流れていくので、テレビ感覚で視聴できます(たまにCMが入る)。字幕もほぼ完璧(字幕のない動画もあり)。また「LIVE」メニューからは、ライブ放送がいつでも見られます。
※オーストラリアに同名のニュース局があるので要注意。
ニュース英語を効率的に学ぶ方法
最後に、僕が意識しているおすすめの学習法をいくつか紹介します。
日頃から日本語でも背景知識を仕入れておく
少しでもニュースの背景知識があると、英語がぐんと聞き取りやすくなります。新聞でもスマホでもなんでもいいので、普段から日本語でニュースをチェックする習慣を身につけておきましょう。背景知識なしにいきなり英語ニュースを見て(聞いて)理解できる人はあまりいません。
音読してみる
今回紹介したサイト・アプリは、すべて音声を聴くことができます。ニュース英語に慣れるまで、音声を何度も繰り返し聞いて、自分でも音読するのがおすすめです。英語のリズムや音に慣れ、そして時事英語特有の語彙や表現を体にしみこませましょう。
復習する&何度も見る
1回や2回で新しい単語や表現を完全に覚えられる人はいません。次の日も、前日やった内容を軽く復習するようにしてください。5分くらいかけておさらいするだけで、記憶がリフレッシュされ、知識の定着率がぐんと高まります。
毎日続ける
ニュースは日々、更新されます。毎日見続けることで、さまざまなトピックに触れることができますし、以前見た(聞いた)内容の事後経過を知ることもできます。そうやって蓄積された社会・文化背景に関する知識が、幅広い意味での「英語力」になります。
まとめ
またまた長い記事になってしまいました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
新聞やテレビのニュースは、ネイティブにとっても理解するのが難しいです。
単に言葉が難しいだけでなく、政治や社会、文化、経済などに関する背景知識も必要だからです。
目の前に日本の新聞を読んでいる外国人がいると想像してみてください。
「うわ、この人めっちゃ日本語できそう…!」
「絶対に観光客じゃないよね」
「日本で生まれ育ったのかな」
なんて思いますよね。
これって英語でも同じです。
CNNやTIMEなどの英語ニュース(時事英語)はある意味、英語学習の最終形です。
学校英語から始めて、日常英会話やTOEICの勉強をして、ビジネスで通用する丁寧で知的な実用英語を習得したい人にとって、最後の難関が時事英語です。
(※映画や海外ドラマはスラング等のくだけた表現が多いのでここではおいておきます)
僕自身の英語学習を振り返っても、20代の頃に時事英語をガッツリやったことが、翻訳家として仕事をしていく上で大きな力になりました。
英語ニュースを理解できるようになると、上達のスピードがいっきに上がります。
毎日見ているだけで、いろんな語彙や表現がどんどん身につくからです。
ぜひ皆さんも英語ニュースの楽しさと奥深さを味わってくださいね!
Enjoy!