【初級~超上級】TOEIC満点翻訳家が「最強の英単語帳」を選んだら。

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macha

翻訳家(英日)。英検1級/TOEIC満点/言語学修士。「極力勉強せず、楽しみながら英語力を自然に上げる」がモットー。英語育児(8歳)も実践中です。

「もっと語彙力をつけたい」。そう考えている英語学習者は少なくないと思います。

でも世の中に英単語帳はたくさんありすぎて、正直どれを選べばよいか迷いますよね。

そこで今回は翻訳家のmachaが、「この単語帳なら使う価値がある!」と断言できる、お勧めの英単語帳を厳選しました。

この記事を書くにあたって、英検やTOEICやTOEFL、大学受験、ビジネス英会話など、50冊以上の単語集を実際に手にとって吟味しました。

もし僕が英語をがむしゃらで学んでいた頃に今戻れるとしたら、ここらへんの単語帳を片っ端からやると思います。

ボキャビルに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

英単語帳は使うな⁉

僕のブログをこれまで読んでくださった方は、僕が世の単語帳にさんざんダメ出ししてきたことを覚えてらっしゃるかもしれません。

単語帳のデメリットについては、こちらの記事でいろいろ書きました↓

英単語帳は使うな⁉ 知っておきたいデメリットと対処法

そして単語帳に頼らないおすすめのボキャビル方法については、こちらの記事にまとめています↓

【努力ゼロ】凡人の僕が英単語帳を使わずに1万語を暗記した方法

しかし、いくら「単語帳を使わなくてもボキャビルできる」とはいっても、「単語帳を使って語彙力をつけたい」という需要もやはりあると思います。ちょっとした隙間時間など、洋書や海外ドラマの世界にすぐ没入できないような状況では、単語帳をささっと取り出して勉強できる方が便利だったりしますよね。

実は、今回紹介している単語帳は、僕が上記記事で指摘したデメリットがほとんど当てはまりません。一般に想像されるような、英単語と日本語の意味をセットで丸暗記する従来型の単語帳とはまったく異なるからです。

そのため、単語帳学習につきまとう弊害を気にせず、がんがん語彙力を伸ばすことができます。

おすすめの英単語帳を選んだ基準

1.文脈主義である

市販の単語帳には単語&日本語訳だけを羅列したものや、フレーズ主義のもの、あるいは例文付きのものなどいろいろなパターンがありますが、個人的に一番おすすめは、ある程度まとまった長さの英文の中で覚えられる文脈主義の単語帳です。文脈の中で新しい言葉に出会うことで、その単語の使い方やニュアンスなどが理解しやすくなりますし、文章全体と関連づけることで記憶も定着します。あとリーディング力も同時に養われるので学習効率も高いです。

2.音声付き(※例外あり)

単語は読むだけでなく、耳からも理解できるようにしておく必要があります。そのため、音声(アプリやPCダウンロードなど)は必須です。また音声データは単に見出し語と日本語訳だけではなく、メインとなる英文のナレーションが入っていないと不便です。一部の洋書をのぞいて、音声があるものを選びました。

3.自然な英文である

その語彙を使うために無理やり作った文章や、ネイティブがあまり使わないような不自然な英語が多く書かれてあるような単語帳ははずしました。何回も繰り返し読めて、音読して、心にしみ込ませたい良質な文章を語彙テキストにすることで、自然な英語のニュアンスが身につきます。

初級レベルの単語帳(TOEIC600以下)

ではおすすめの単語帳をレベル別に紹介していきます。

(正確にはいわゆる「英単語帳」ではないものも含まれていますが、語彙習得にはおすすめなので取り上げます)

【絵図鑑】Richard Scarry’s Best Word Book Ever


米人気作家・イラストレーター、リチャード・スキャリーさんによる超ベストセラー(大判)。ネイティブの幼児向けですが、petal(花びら)、barge(はしけ)、sawdust(おがくず)など、わりと細かい単語も載っているので、ノンネイティブの学習者はこの本から始めるのがおすすめ。同作者による「Richard Scarry’s Best Picture Dictionary Ever」と違い、語彙の説明や例文がない分、トピックごとにまとまりがあって全体的に見やすいです。子ども英語にもおすすめ。(音声はありません)

英検5級 絵で覚える単熟語


イラストを使って視覚的に語彙を覚えられる非常にユニークな単語帳。分野ごとの重要語彙・熟語のほか、場面ごとの会話表現もイラスト付きで学べます。とくに初級レベルの単語は日本語訳ではなく、目から視覚的に覚えるのがわかりやすいです。英語を学び始めた小学生にもおすすめ。こちらの単語帳が終わった人は、続編の「英検4級 絵で覚える単熟語」をどうぞ。

速読速聴・英単語 Basic 2400


「文脈主義」を掲げる単語帳の元祖といえばこれ。いろんな場面で使える良質な英文が多数掲載され、語彙力とリーディング力、リスニング力を同時に伸ばすことができます。同シリーズでは英検3級から1級までレベル別に9冊の単語帳が刊行されており(レベル表)、本書はその初級編(中学3年~高校1年程度)です。こちらを終えた方は、初中級編の「Daily 1500」、中級編「Core 1900」の順で進みましょう。

中級レベルの単語帳(TOEIC600~860)

Oxford Picture Dictionary(第3版)


「OPD」の通称で知られる定番のESL教材(大判)。約4000語の語彙・表現を掲載。学校の授業や受験英語でしばしば抜け落ちている日常シーンの基本語彙を補填することができます。やや古風なイラストも味わいがありますね。オックスフォード大学出版から出ていますが、中身はアメリカ英語です。別売りでオーディオCDや電子書籍版も。気に入ったページから自由に読んでみてください。

※各言語の対訳版がありますが、個人的にはモノリンガル版(英語)がおすすめです。

英検2級 文で覚える単熟語


通称「文単」で知られる受験生に人気の単語帳シリーズ。英検3級~1級までレベル別に出ているので、順にこなしていくのがよいでしょう。長文のすぐ隣に全訳が載っているというシンプルなデザインも良し。長文(米・英音声)を収録したCDが付いてます。

TOEIC TEST 速読速聴・英単語 Standard 1800


速読速聴シリーズは全レベルの学習者におすすめ。本書はTOEICテスト対策に特化した中級者向けの語彙集で、ビジネス会話で使える表現や言い回しが多数掲載されています。英文の音声は書籍付属のCD、あるいは無料音声サイトで提供されています。こちらを終えた方は、同じく中級編の「Opinion 1100」をどうぞ。

上級レベルの単語帳(TOEIC860~950)

速読速聴・英単語 Advanced 1100


上級者もやはり速読速聴シリーズがおすすめ。こちらの「Advanced 1100」は5回もの改訂を経て進化している点にも注目。左ページに英文、右ページに英文の訳、ページ下部に見出し語や語義というわかりやすいレイアウトも相変わらず秀逸。中上級者向けの「Business 1200」、TOEIC上級編の「Global 900」もお忘れなく。

英検準1級 文で覚える単熟語


初級・中級レベルでも紹介した「文単」の上級者向け語彙集です。英検を主催している旺文社の単語帳だけあって、英検の過去問の抜粋などが掲載されている点が他の単語帳と大きく異なるところ。英検のアカデミックな文章スタイルに触れつつ、語彙力を自然に伸ばすことができます。本書が終わったら、いよいよ「英検1級 文で覚える単熟語」へチャレンジできます。

上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア


英字新聞の記事や論説などの抜粋を中心に50以上の良質な英文が掲載されています(見出し語は950)。文単や速読速聴シリーズに比べ、より現代的な時事英語の比重が大きいのと、最終章に文学作品が取り上げられている点が光っています。また文章も200ワード以上のものが多く全体的に長めなので、じっくり英文を味わうことができます。長文と日本語訳のページが離れているのがやや使いづらいですが、すべての単語に例文だけでなく、言葉の用法やニュアンスなどの丁寧な解説がついている点はこだわりを感じさせます。音声はアプリ、ポッドキャスト、MP3に対応。

超上級レベルの単語帳(TOEIC950以上)

文脈で覚える IELTS英単語


留学予備校の講師陣が作った労作。経済からAIやスポーツまで、IETLS頻出の上級単語を詰め込んだ100近いオリジナル英文を味わいつつ語彙増強できるようになっています。一つの文章は180ワード前後で(第1部)、約1400の見出し語をこの短い文章によくここまで凝縮させたなという印象。たまに短くまとめすぎていて文章のつながりがわかりづらい箇所などありますが、昨今のビジネスで実際によく使われる必須表現を幅広く収録しています。また第3、4部にはインタビューやライティング問題を意識した文章が掲載され、ビジネス会話で役立つ英語表現も学べます。8時間を超える音声ダウンロードサービスは圧巻。

【小説】Tooth and Nail: A Novel Approach to the SAT


一見すると、女子大生を主人公とするミステリー小説なのですが、この本のユニークなところは、アメリカの大学共通テストであるSATやACTに出題される上級語彙1300語(英検1級~準1級相当)が物語の中に自然な形でちりばめられている点です(文中では太字になっています)。「文脈を通して語彙のニュアンスまで自然に習得する」「英語を英語のまま理解する(日本語訳を使わない)」の2つを一度に体験できます。英検準1級~1級くらいの上級者向けです。(音声はありません)

【定番】1100 Words You Need to Know


英語ネイティブの高校生がSAT対策などで使う定番の単語集。本のサイズが大きい(&分厚い)のと、語彙の意味が直接書かれていない(クイズ形式になっている)ので、単語帳としてはやや使いづらいです。また当然ながら単語の説明も全部英語なので、解説を読んで理解できる程度の基礎語彙力も必須。たとえば、badger(悩ます)という単語の説明にネイティブの子どもがわかるnag(口うるさく言う)という言葉を使っているのですが、そもそもnagすら知らない学習者はいちいち辞書で調べるハメになります。その意味で上記4冊よりもレベルは高めですが、ネイティブの大人が知っておきたい教養語彙を多く収録してあり、英検1級のさらに上を目指す学習者にはおすすめです。(音声はありません)

単語帳の使い方(コツ)

さいごに、おすすめの単語帳の使い方を説明します。

単語帳は最低3周はする

1回見ただけで単語を覚えられる人はほとんどいません。繰り返し「出会う」ことで、新しい言葉が脳に焼き付けられていきます。最低でも3周はしてください。

完璧主義は捨てる

上記と矛盾するようですが、単語帳に載っているすべての単語を隅々まで完璧に覚える必要はありません。ざっくり8割くらいをゴールにしましょう。それくらいまで覚えたら、ほかの単語帳に移った方が結果的に習得が早いです。類語や派生語まで完璧に覚えなくても大丈夫です。

音声を聴きまくる

ここで紹介した単語帳で一番重要なのは、実は本ではなく、音声の方です。単語帳を3周くらいしたら、あとは音声の方を聴きまくりましょう。聴くのはメインの長文部分(英語)だけで十分です(単語と日本語訳のセットは聴かなくてOK)。長文の内容を耳で瞬間的に理解できるようになれば、単語も身についているということです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ここで紹介した単語帳は、すべての英語学習者におすすめできます。
なんといっても、語彙力だけでなく、リーディング(&リスニング)も同時に伸ばせるのが素晴らしいですね。
また、いろんな分野の興味深い話を「つまみ食い」して読めるので、詰込み勉強という感じではなく、楽しみにながら学習を進めやすいです。
上級単語まで身につけると、英語の世界がいっきに広がりますよ!

Enjoy!

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