自分の実力以上の洋書(英語)がスラスラ読めるようになる「5つの必殺技」

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macha

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アラフォーの英日翻訳家。TOEIC満点/英検1級。言語学修士号。元英会話学校講師。最近はエスプレッソにはまっています。

洋書を読むときは、できるだけ簡単な本を選ぶのが英語学習の鉄則です。

でも場合によっては、自分の実力以上の洋書(小説)を読まなければいけないことがあるかもしれません。
学校の課題だったり、仕事のリサーチだったり、どうしても読みたい本があったり、たまたま誰かからプレゼントでもらったり、などなど。

そこで、今回は難しそうな洋書を、スラスラ読めるようになる方法を紹介します。
結構ガチで時間もかかる方法ですが、効果は絶大です。
これをやれば、古典小説など手ごわい洋書がほんとに簡単に読めるようになります。

どんな方法か、説明していきます。

ざっくりいうとこんな学習法です

ネットで調べたところ、似たような方法をほかに実践している人が誰もいないようなので、勝手ながら(5つの方法の頭文字をとって)「PTAMS」と呼ぶことにします。

PTAMSとは

繰り返しになりますが、PTAMSはmacha(筆者)が勝手に考案&命名した多読・多聴のメソッドです。

以下の5つの頭文字をとって、PTAMSです。

Paperback(洋書)
Translation(翻訳書)
Audiobook(朗読)
Movie(映画)
Study Guide(教科書ガイド)

ざっくりいうと、この5つのやり方(ツール)で、1冊のペーパーバックをじっくり、深く、そして楽しく読もう、という方法論です。

メリットとデメリット

あからじめ、良い点と悪い点を説明しておきます。

メリット

  • ペーパーバックがすらすら読めるようになる
  • 洋書を耳から聞いてなんとなく理解できるようになる
  • 論説や評論などアカデミックな英語にも強くなる
  • 英語圏の文化的、社会的教養が身につく

デメリット

  • 英語読解の基礎力(大学受験程度)は必要
  • この方法が使えないペーパーバックもある(邦訳書が出ていない本など)
  • それなりに時間がかかる
  • 根気強さも必要

PTAMSのやりかたと効果

レイモンド・チャンドラーの「Big Sleep」をPTAMSを使って読んでいるところ(翻訳書は村上春樹さん訳)

学習の手順

1.洋書と翻訳書を手に入れる

これが一番重要なステップです。
まず「洋書」と「翻訳書」の2冊をセットで手に入れます。

2.とりあえず洋書から読んでみる

どれくらい英語が難しいかわからないので、とりあえず洋書の最初のページから読んでみましょう。
そしてわからないところが出てきたら、翻訳書を開いて、どういう訳になっているかチェックしましょう

このやり方で問題なさそうなら、最後まで読んでしまってOKです。
次の3の方法を飛ばして、4へ進んで下さい。

逆に、あまりにもわからないところが多い人は、3の方法へ進みます。

3.翻訳書を最後まで読む

翻訳書をチェックしながら洋書を読み進めるのがつらい人は、洋書をいったん置いておいて、先に翻訳書を読破します
それで内容(ストーリー)を頭に入れてしまいましょう。
全体の流れを理解したら、ふたたび2の方法へ戻ってください。
今度は、だいぶ簡単に読み進められるようになっているはずです。

4.オーディオブックを探して聴きまくる!

1~3の方法で、洋書自体は読めるようになっています。
ここで終わってもいいのですが、せっかく時間と労力をかけたので、もう一工夫してリスニング力も上げましょう。

まずはYouTubeで、同じ洋書の音声ファイルがないか検索してみます。
「作品名+audiobook」で検索すればOKです。

それで見つからない場合は、「Audible」(定額制のオーディオブック)で探してみます。
こちらは有料ですが、有名な洋書ならフィクション、ノンフィクションを問わず、だいたい見つかるはず。

見つかったら、何度も繰り返し聴きましょう。
作品が長い場合は、章・チャプターごとなど、細切れにして聴くとよいです。

「洋書を耳から聴く」というと、とんでもなくレベルが高そうに思うかもしれません。
でも1~3の方法で、話の展開がかなり細かいところまで頭の中に入っているはずなので、実はそれほどストレスなく聞くことができます
あまり細かいところは気にせず、わかるところを拾う感じで、どんどん聴いてみてください
この方法で、かなりリスニング力が上がりますよ。

5.映画(動画)を探して、観る!

有名な作品なら、映画化・ドラマ化されていることが多いです。
これもYouTubeで探してみましょう。
あるいは、NetflixやHuluなどの有料の動画サービスを利用している人は、そちらも検索してみる価値があります。

百聞は一見に如かず、です。
映像を見ると、文字だけではよくわからなかったことが、すんなりイメージできたりします
また役者の表情などから、言葉のニュアンスなどもわかるようになるので、おすすめです。

6.スタディーガイドを探して読む

読んだ本のスタディーガイド(教科書ガイド)が出ていないか、ネットで探してみましょう。
欧米の古典小説なら、以下の2つの定番サイトがカバーしている可能性があります。

CliffsNotes
SparkNotes

どちらも、アメリカの高校生御用達の教科書ガイドです。
アメリカの中学校や高校では、「国語(English)」の授業で有名な文学作品をテキストに使うので、こういう教科書ガイドが人気なわけですね。

教科書ガイドには、
・あらすじ
・登場人物の特徴
・時代背景
・文学的テクニック(モチーフやシンボルなど)
などが懇切丁寧に解説されています。

とくに「偉大」な文豪(たとえばフォークナーやジョイスとか)の作品だと、素人が読んでも、抽象的で「何が言いたいのかよくわからない」という場合が少なくありません。
でもそんなときでも、教科書ガイドを読めば、「なるほど、そういうことだったのか!」となることが多いです。
読書の楽しみもいっきに増すでしょう。

さらに、教科書ガイドはプロの批評家などが執筆しているので、洗練されたアカデミックな文体で書かれていて、ロジカルな英語を学ぶことができますよ。

7.もう一度洋書を読んだり、聴いたりする

6までやれば、1冊の本についてかなり深い知識をもっているようになります。
その段階で、洋書をもう一度読んでみたり、オーディオブックを聴いてみたりすると、ものすごくよく理解できるようになっていることにきっと驚くと思います。

PTAMSを実践した例

筆者は、ヘミングウェイの名作『老人と海(The Old Mand and the Sea)』を使って、PTAMSを実践してみました。

詳しくは「ヘミングウェイ『老人と海』を英語で10倍楽しく読む方法」をご覧ください。

最初に読んだときは、細かい描写が多く、意味不明の文章が多くてめげそうになったのですが、PTAMSを行った結果、すらすら読めるようになりました。
数カ月後に、こんどはペーパーバックだけを読み直したら、(ストーリーの流れが頭の中に残っていたこともあり)4時間程度で読破できました

まとめ

手ごわい洋書をすらすら読めるようになる「とっておきの秘策」を紹介しました。

正直、結構めんどくさいので、万人におススメできるわけではありません
本来なら、難しい洋書なんて無理して読まないで、絵本や児童書など簡単な洋書を多読する方が英語力はつきます。

でもどうしても自分のレベルの高い洋書を読まなければいけないときは、このPTAMSを思い出してください。
この方法なら、ヘミングウェイやサリンジャーなど、ネイティブの高校生や大学生が読むような一流の古典作品でも読破できるようになります。
古典文学を使って英語力の腕試しをしたいという人も、一度試してみるとよいかもしれませんね。

Happy reading!